宝塚歌劇を徹底解剖!トップスター退団公演について

こんにちは。
宝塚ファン歴30年、ヅカちゃんです。

宝塚歌劇には、たくさんの演出家の先生が在籍されています。
オリジナルの作品が多い宝塚の公演。
宝塚歌劇を愛してやまない先生方がつくる作品には、「宝塚愛」が感じられるんですよね。
特に、トップスターさんの退団公演は、トップスターさんへの愛がすごい!と感じます。

トップスターさんの退団公演は、送り出すという意味合いが強く出るものが多く、やはり、タカラジェンヌとして立てる最後の公演ということで、そのトップさんのタカラヅカでの歩みや残る組子さんたちへのメッセージなど、随所に熱い想いが感じられるんです。

今回は、過去10年の歴代トップスターの退団公演、ヅカちゃんおすすめ作品をご紹介したいと思います。

宝塚花組トップスター 真飛聖の退団公演『Le Paradis!! ル・パラディ ー聖なる時間ー』/現花組トップスター柚香光が妖精役で大活躍!

宝塚花組トップスター 真飛聖(まとぶせい)さんの退団公演は、2011年に上演された『Le Paradis!! ル・パラディ』。こちらには、【聖なる時間】という副題がついています。
これは、真飛聖さんの【聖】にかけて、つけられた副題というのが一目瞭然ですね。

“真飛聖のタカラジェンヌとしての、尊い時間”を最高なものにするぞ!という意気込み。
そして、真飛聖の男役としての最後の勇姿を、その目と心に焼き付けてほしい・・・
作・演出の藤井大介先生の、真飛さんや花組、ファンの方への思いが込められているんじゃないのかな、と感じるタイトルですね。

退団公演おなじみの演出?!トップスターさんと舞台上でアイコンタクト!トップスターさんを囲む組子さんの表情が素敵!

さて、この公演のおすすめポイントの一つが、フィナーレ部分の「エスポワール」という曲?から始める場面です。
大階段が出てきて、トップ娘役・蘭乃はなさん、2番手の壮一帆さん、3番手の愛音羽麗さん、そして、組子のみなさんが舞台に並び、歌っていきます。
そして、銀橋の中心に立つ真飛聖さんを、組子の全員で囲むという場面。
ここで、センターに立つ真飛さんは、組子を見渡しながら、一人一人とアイコンタクトをしていきます。

藤井大介先生が退団公演を演出されるとき、こういった場面がよくみられる印象があります。
この公演の少し前だと、2009年に作・演出を担当した、安蘭けいさんの退団公演「ア・ビヤント!」でも同じような演出がありましたね。

トップスターさんを見つめる組子のまなざし、そして、それに呼応するように優しく見つめ返すトップスターさん。
この図式がとても美しいんですよね。

下級生だったら、雲の上のような存在のトップさんと、舞台上でアイコンタクトができるだけでも、とても嬉しいことだと思うんです。
さらに、トップスターさんがセンターでライトを浴びている姿や、組をまとめてきたその背中を、しっかりと目に焼き付けられる。
これからの自分の目標というか、タカラジェンヌとしての成長にもつながることだと思うんですよ。

そして、ファン目線でいうと、なんていうんですかね。
見届けられてよかったと思える、なんとも言えない、温かい気持ちになる感じ。

退団されるトップスターさんって、どの方も、とっても穏やかな、いい表情をされているんですよ。

退団が決まるまでは、組や劇団を背負って、ピンっと気が張り過ぎているような状態というか、ひたすら努力して、常に全力疾走!!みたいな感じで、常に戦闘モード!みたいな状態という感じですかね。
そんなトップスターさんが、こういった場面になると、いい意味で力が抜けて、ナチュラルな状態で、一人一人の組子と向き合っている感じがするんですよね。
そのうえ、一瞬のアイコンタクトだけど、言葉にならない思いを伝えているような感じがするんです。

この感じがとても好きで、私はこの演出がとってもお気に入りなんです。

この後にご紹介する作品のなかにも、この演出が含まれているものがあります。
やはり、トップスターさんの退団公演ならではの演出だと思うので、どうしても、この演出が含まれているものを選んでしまいますね。

ちなみに、藤井大介先生は小さい頃から宝塚ファンだったようです。ファン心理を理解しているな、と感じる演出が多いのも、藤井先生ならではかなと思います。

現花組トップスター柚香光が妖精役で大活躍!

現在の花組トップスター、柚香光さんは、このLe Paradis!の公演では、幕開きの場面で、妖精役をしています。当時研2(入団2年目)での抜擢。
トップスターになる道が、ここからはじまった!といえるかもしれませんね。

退団公演が中止になっていた可能性も・・・

2011年というと、東日本大震災の年。
3月11日は、宝塚大劇場での公演が終わり、東京宝塚劇場での公演前の短いお休み期間中だったという当時の花組。

東京公演の初日は3月25日ということで、日本全体がさまざまな活動を自粛するなか、公演を行なっていいのか、中止した方がいいんじゃないか、という話が出ていたようですね。
当時、下級生だった、元トップ娘役仙名彩世さんは、地元宮城で帰省中に被災されたとか・・・。

そんななか、組子だけでなく、いろんな人のいろんな思いを背負って退団公演に臨まれた、トップスター真飛聖さん。
精一杯舞台をつとめること、夢の世界を届けることが自分達の仕事であり、役割。自分達が被災されたお客様の希望になれば・・・そんな思いを込めて、毎公演舞台にあがられていたようです。

日常生活がままならない、日常が日常ではないような状態のなか、自分達にできることを舞台で精一杯にしていく。
そんな思いが込められ、さらに退団公演ということで、組子のみなさんのパワーやエネルギーが、いつも以上に感じられる公演であったことでしょう。

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