こんにちは、宝塚ファン歴30年、ヅカちゃんです。
本日のテーマは「スカーレットピンパーネル宝塚版について」。
スカーレット・ピンパーネルは、1997年にブロードウェイで初演された、バロネス・オルツィの小説「紅はこべ」が原作のミュージカル作品。
日本では、2008年に宝塚歌劇団星組 安蘭けいさん主演で初演されました。
星組での上演当初からたちまち話題になり、この作品は、第16回読売演劇大賞優秀作品賞、第34回菊田一夫演劇大賞を受賞しています。
星組初演は、実力抜群のトップコンビ、安蘭けい・遠野あすかを中心として、この作品をきっかけにさらなる飛躍を果たした、当時2番手の柚希礼音の活躍もさることながら、脇を固める星組生の層の厚さ、この公演に対する星組生の初演にかける熱い想いが、作品の中に感じられたのが印象的な作品でした。
大劇場公演は、新作を基本とするなかで、再演が繰り返される作品になった、スカーレット・ピンパーネル。
初演の盛り上がりによって、宝塚ファンを作品に惹きつけ、再演が繰り返される、宝塚の代表的な作品のひとつになったといっても過言ではないですね。
では、スカーレット・ピンパーネルについて、みていきましょう。
- スカーレット・ピンパーネルって?
- スカーレット・ピンパーネル 宝塚版のあらすじ!物語の舞台は、18世紀末のフランス革命の時代。主人公は、イギリス人貴族のパーシー。ある目的を果たすことを最大の目標として活動している
- 宝塚版スカーレット・ピンパーネルの主演は?2008年星組 安蘭けい!2010年月組 霧矢大夢!2017年星組 紅ゆずる!
- スカーレット・ピンパーネル 宝塚版のキャスト
- スカーレット・ピンパーネル 宝塚版のみどころ
- スカーレット・ピンパーネル宝塚版 2008年安蘭けい版のみどころは?なんといっても、歌のうまさ!
- スカーレット・ピンパーネル宝塚版 2010年月組 霧矢大夢版のみどころは?トップコンビのデュエットダンス!
- スカーレット・ピンパーネル宝塚版 2017年星組 紅ゆずる版のみどころは?成長とプライド!
- スカーレット・ピンパーネル宝塚版 まとめ
スカーレット・ピンパーネルって?
スカーレット・ピンパーネルは、バロネス・オルツィの小説「紅はこべ」が原作。
この小説をもとに、1997年にブロードウェイで、ミュージカルが上演されました。
スカーレット・ピンパーネル 宝塚版のあらすじ!物語の舞台は、18世紀末のフランス革命の時代。主人公は、イギリス人貴族のパーシー。ある目的を果たすことを最大の目標として活動している
18世紀末のフランス・パリ。
革命の嵐が巻き起こり、貴族達が次々とギロチンにかけられ、処刑されていた時代。
フランス革命政府の政治にたいして、反感を抱くイギリス人貴族パーシー・ブレイクニーは、無実の罪で処刑されていく貴族達を、密かに国外に逃がし、命を救い出すという行動を起こしていました。
パーシーは、「スカーレット・ピンパーネル(紅はこべ)」の紋章を残す、秘密結社を率いており、妻のマルグリットにも知られていない、もう一つの顔をもっていました。
秘密結社最大の目標は、王太子ルイ・シャルルの救出。
自分の正体がばれないよう、遊び呆けるだけの貴族を演じながら、フランス革命政府・公安委員のショーブランの追求をうまくかわしていきます。
そして、貴族の仲間達と協力しながら、さまざまな困難を乗り越えて、ルイ・シャルル救出へと動いていく・・・
そんなお話です。
宝塚版スカーレット・ピンパーネルの主演は?2008年星組 安蘭けい!2010年月組 霧矢大夢!2017年星組 紅ゆずる!
2008年の初演以来、これまでに計3回、大劇場で上演されています。
2008年星組公演の主演は、トップスター 安蘭けい。
トップコンビ 安蘭けい・遠野あすかの充実ぶりが光りました。
芝居もさることながら、心情を巧みに表現する歌唱力がよかったですね。
さらに、この後、100周年を担っていくことになる当時2番手 柚希礼音の活躍ぶりが目を見張りました。
トップコンビと2番手、組の主軸となる3人(トリデンテ)が充実した作品でしたね。
※トリデンテとは・・・
2015年雪組で上演された、ヨーロッパラテンのショー「La Esmeralda(ラ・エスメラルダ)」がきっかけとなって、使われるようになった言葉。
この公演の作・演出を担当された齋藤吉正先生が、ショーを語るなかで、当時のトップコンビ・早霧せいな・咲妃みゆ、2番手 望海風斗の3人を、「雪組のトリデンテ!」と表現されたことから、宝塚ファンのなかでも広まったとされています。
トリデンテは、スペイン語で「三叉の槍」の意味があるようで、サッカー用語で、3トップを表現するときに使われているようですね。
2010年 月組公演の主演は、霧矢大夢。
2010年に月組で再演され、トップスター 霧矢大夢の大劇場トップお披露目公演となりました。
ヅカちゃん的には、霧矢大夢さんのスカーレット・ピンパーネルがおすすめですね。
本編、ストーリーとは別の部分ではありますが、霧矢大夢さん、蒼乃夕妃さんの最後のデュエットダンスが魅力ですね。
2017年 星組公演の主演は、紅ゆずる。
2017年星組で再演されたときは、紅ゆずるさんが主演。
紅さんは、初演の2008年星組公演で、初めて新人公演の主演を果たしました。
この公演で主演をするまでは、スターの路線とは別の方向で進んでいた紅ゆずるさんが、スターの路線にのることになった、縁のある作品。
そんな縁のある作品で、トップスターとしての大劇場お披露目を果たしたんですね。
また、この公演で紅さんの相手役として、トップ娘役に就任した綺咲愛里さんは、2010年月組公演のスカーレット・ピンパーネルが初舞台!
縁のある作品でのトップお披露目は、ファンとしては、思い入れ深い作品なんじゃないでしょうか・・・。
スカーレット・ピンパーネル 宝塚版のキャスト
( )内は新人公演
※新人公演とは、入団7年目までの生徒で行う公演。
本公演と同じセットや衣装でお芝居をしていきます。
トップスターになるためのステップのひとつに、この新人公演で主演をすることがあげられています。
スカーレットピンパーネル 2008年星組 主なキャスト、パーシー・ブレイクニー:安蘭けい、マルグリット:遠野あすか、ショーブラン:柚希礼音
パーシー・ブレイクニー:安蘭けい(紅ゆずる)
http://archive.kageki.hankyu.co.jp/revue/backnumber/08/star_tokyo_sp/index.html
マルグリット・サン・ジュスト:遠野あすか(蒼乃夕妃)
ショーブラン:柚希礼音(麻尋しゅん)
アルマン・サン・ジュスト:和涼華(真風涼帆)
アントニー・デュハースト:立樹遥(美弥るりか)
マリー・グロショルツ:夢咲ねね(稀鳥まりや)
ルイ・シャルル:水瀬千秋(華雅りりか)
スカーレットピンパーネル 2010年月組 主なキャスト、パーシー:霧矢大夢、マルグリット:蒼乃夕妃、ショーブラン:龍真咲/明日海りお
パーシー・ブレイクニー:霧矢大夢(珠城りょう)
http://archive.kageki.hankyu.co.jp/revue/backnumber/10/moon_takarazuka_scapim/index.html
マルグリット・サン・ジュスト:蒼乃夕妃(彩星りおん)
ショーブラン:龍真咲/明日海りお <役替わり>(紫門ゆりや)
アルマン・サン・ジュスト:明日海りお/龍真咲 <役替わり>(煌月爽矢)
アントニー・デュハースト:青樹泉(鳳月杏)
マリー・グロショルツ:憧花ゆりの(花陽みら)
ルイ・シャルル:愛希れいか(晴音アキ)
スカーレットピンパーネル 2017年星組 主なキャスト、パーシー:紅ゆずる、マルグリット:綺咲愛里、ショーブラン:礼真琴
パーシー・ブレイクニー:紅ゆずる(天華えま)
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2017/scarletpimpernel/index.html
マルグリット・サン・ジュスト:綺咲愛里(有沙瞳)
ショーブラン:礼真琴(遥斗勇帆)
アルマン・サン・ジュスト:瀬央ゆりあ(極美慎)
アントニー・デュハースト:壱城あずさ(桃堂純)
マリー・グロショルツ:有沙瞳(小桜ほのか)
ルイ・シャルル:星蘭ひとみ(澄華あまね)
スカーレット・ピンパーネル 宝塚版のみどころ
・パーシーのアドリブがところどころにあり、ついクスッと笑ってしまいます。
・きらびやかな衣装の数々は、色鮮やかで華やか、宝塚らしさを感じられます。
・ヅカちゃん的には、主題歌「ひとかけらの勇気」、組の結束力やパワーを感じる「栄光の日々」、
パーシーが歌い上げる「目の前の君」の楽曲が好きです。
・2時間半の公演で、終わりの15分は、フィナーレとよばれるショーが展開されます。
男役の群舞やトップコンビのデュエットダンス、ラインダンスなどがみどころ。
スカーレットピンパーネルのフィナーレは、サーベルを持って踊る、男役の群舞がかっこいいです。
計3回の公演が行われていますが、フィナーレの曲の構成やアレンジは、どの公演も異なったものに
なっていて、それぞれの公演に、その組の色とよさがあると感じます。
スカーレット・ピンパーネル宝塚版 2008年安蘭けい版のみどころは?なんといっても、歌のうまさ!
宝塚での劇中歌「ひとかけらの勇気」は、宝塚歌劇で初演するにあたり、書き下ろされた楽曲といわれています。
作曲担当のフランク・ワイルドホーンが、主演の安蘭けいさんの歌声を聞いて、安蘭けいのために書き下ろした楽曲、とのエピソードが披露されています。
その後の公演でも、主題歌として歌い継がれている楽曲です。
安蘭けいさん主演のスカーレットピンパーネルは、初演ということもあり、新たなことに挑戦していく意気込み、組全体の盛り上がりを感じました。
安蘭けいさんの歌唱については、前評判通りのうまさ。
こちらも歌に定評がある、相手役・遠野あすかさんに加え、2番手としてショーブランを演じた柚希礼音さんの歌声にも痺れましたね。
ヅカちゃん的には、おどけた、おちゃらけた貴族を演じているときの、肩の力が抜けているパーシーの感じが、安蘭けいさんの関西人気質と相まって、よい色を出しているなと感じました。
スカーレット・ピンパーネル宝塚版 2010年月組 霧矢大夢版のみどころは?トップコンビのデュエットダンス!
2010年に上演。霧矢大夢・蒼乃夕妃トップコンビの大劇場お披露目公演で、宝塚歌劇団96期生の初舞台公演でもありました。
トップ娘役である蒼乃夕妃さんは、2008年星組公演の新人公演で、当時のトップ娘役遠野あすかさんが演じたヒロイン、マルグリット役を演じており、ご縁のある作品でのお披露目となっています。
こちらの公演のみどころのひとつは、霧矢大夢・蒼乃夕妃トップコンビのデュエットダンス!
この二人の息ぴったりのダンスは、まさに伝説!
このダンスがきっかけで、次の大劇場公演では、芝居と関係のない形で、6分間のデュエットダンスが組み込まれたとの話があるぐらいです。
ヅカちゃん的には、やはり、トップコンビの相性が大切だと思っています。
特に、トップコンビが信頼しあえている、お互いに高めあえている、というのが伝わってくるようなお披露目公演だと、この先の公演もますます楽しみだなと感じますね。
スカーレット・ピンパーネル宝塚版 2017年星組 紅ゆずる版のみどころは?成長とプライド!
2008年初演の新人公演では、主役のパーシーを演じた紅ゆずるさん。
入団7年目までのメンバーで上演する新人公演で、最終学年にして、初めての主役となった作品です。
また、相手役である綺咲愛里さんは、2010年月組公演で初舞台を踏んでおり、紅ゆずる・綺咲愛里のトップコンビにとっては、ご縁のある作品で、大劇場でのお披露目公演を行うこととなりました。
新人公演のときは、まだスターの路線に完全には乗り切れていなかった紅ゆずるさん。
この役を演じたことから路線に乗り始め、その後の飛躍につなげていきました。
与えられた役に挑み、全力で演じ、手応えをつかめたのかもしれませんね。
宝塚の魅力の一つは、スターの成長を見守ることだと思います。
この生徒さんはどんなふうに大きく羽ばたいていくのかな〜、どんなスターになってくれるのかな〜。
少しずつ進化し、それぞれが成長していく姿を応援することができる。
男役、娘役として、それぞれが演じる役として、公演を重ねるごとに磨きがかかっていくことを見られることが、宝塚に惹きつけられる要因のひとつだと感じます。
トップコンビそれぞれに縁のある作品であること、さらに、<スカーレットピンパーネルの初演を担当したのは星組>というプライドみたいな、組としてのエネルギーを感じるような公演でした。
スカーレット・ピンパーネル宝塚版 まとめ
スカーレット・ピンパーネルは、初演のころから話題になった作品です。
ストーリーの面白さに加え、役を演じる生徒さんの魅力、組としてのまとまりやエネルギーが感じられる作品。
また、再演が繰り返されることで、◯◯パーシーは、どんなふうに演じるのかな?、フィナーレナンバーはどんなふうになるかな?と公演が始まる前からワクワクするような作品です。
トップコンビ、2番手を含めた3トップ、トリデンテに加え、脇を固める組子の充実、組のまとまりなど、さまざまな要素が重なって、上演されるタイミングが決まってくるのがスカーレットピンパーネルであると思います。
次はどこの組で、どのコンビ・トリデンテで上演されるのか・・・
楽しみですね!
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